鍋料理の魚の臭み消し 調味料や食材や調理法で生臭い臭いを取る方法
鍋料理やスープ料理で魚を具材に使う場合の臭いの取り方で、効果のある臭い消し8つの方法をまとめました。
簡単にできる臭み消し、下処理方法、調理方法で魚入り鍋を美味しく食べる方法です。
鍋料理もスープ料理も、魚の生臭い臭いが汁や具材に浸透しやすい料理ですので、下処理を怠ると美味しくないという結果になりかねません。
鍋料理で魚を使うと、スープや別の食材まで生臭い…といった経験ありませんか?
せっかくお魚の美味しいダシが加わるはずが、生臭い鍋になってしまっては台無しです。
家にある食材や飲み物などを使って、簡単に魚の臭みを取る・消す方法がありますのでぜひお試しください。
まず魚の臭みの原因を知っておこう!
魚が生臭く感じる原因は、「トリメチルアミンオキサイド」という本来は旨味の成分が、時間が経つことで分解されて、アンモニア臭を持つ「トリメチルアミン」が生成されてしまうためです。
「トリメチルアミン」は水に溶けやすい、アルカリ性である、そして蒸発しやすい、これらの性質を踏まえて下処理や料理の手際を考えていきましょう。
鍋料理やスープ料理で魚の臭みを取る方法
・ 焼く
下処理として一度焼いてから鍋やスープの具材に使うと臭みが消えます。
一度焼くことでトリメチルアミンが蒸発して臭みが消えます。
焼いた魚を使うことで、香ばしさもプラスすることができます。
注意点は、皮がついた状態だと皮の部分のトリメチルアミンが蒸発しにくく、生臭さが残ってしまうことがあります。
皮をはがしてから使うか皮の部分の蒸発を促すため皮に切れ目を入れておくと、臭みが残ってしまうことを防止できます。
・ 酒を使う
和食をはじめとして、いろいろな魚料理やお肉料理の臭みを取る方法として用いられる酒ですが、鍋やスープで魚を使う際の臭み消しとしても効果があります。
下処理方法は、魚の切り身に直接調理酒を少量かけておき、その状態で5分くらいおいてから、キッチンペーパーで酒と魚の汁をふき取りましょう。
なぜお酒が臭み消しの代表格のようにいろいろな料理に応用できるのかというと、アルコールとトリメチルアミンはどちらも蒸発しやすい食材で、一緒に臭みも蒸発させる効果があります。
また、お酒は酸性なので、アルカリ性のトリメチルアミンを中和して、匂いを消す効果もあります。
日本酒は、お酒の持つ強い香りで臭みをごまかす効果があります。ですが、白ワインは、ワインに含まれる鉄イオンと魚の脂が合わさると、逆に生臭さが出てしまうので、臭い消しとしては不向きです。
どうしても白ワインを使った料理にしたい場合は、オリーブオイルやバターなどの脂を足すことで、生臭くなるのを抑える効果はあります。
鍋料理の楽しみは最後の〆を美味しくいただくこと!
・ 香味野菜を使う
ショウガやネギといった一般的に臭み取りにしようされる香味野菜には、強い香りの成分があり、トリメチルアミンと混ざると臭いのない成分になります。
これらの香味野菜を鍋やスープの具材として一緒に使うことでも、簡単に臭みをとることができます。
・ ハーブを使う
ローリエやタイムなど、洋食に用いられることの多いハーブにも、ショウガやネギと同じ効果があります。
これらのハーブ類は、洋風な鍋料理やスープを作る場合の臭み消しとして利用すると美味しくできあがります。
・ 塩を使う
下処理で塩を使うのもとても効果的な臭い消しになります。
下処理方法は、魚に塩をパラパラとふりかけて、その状態で10分ほど放置します。
冷たい水で洗い流すか、水分を丁寧にキッチンペーパー等でふき取ります。お湯やぬるま湯を使ってしまうと余計に臭みが増す可能性がありますので、必ず冷水で洗い流しましょう。
この方法がなぜ臭み取りに効果的かというと、塩を使うことによる浸透圧の効果で魚の中のトリメチルアミンを多く含んだ水分を外に出し、臭いを取ることができるからです。
漬物などを作るさいに、野菜に塩をかけて揉んでおくと、水分がたくさん出るのと同じ効果になります。
・ 乳製品を使う
牛乳やヨーグルトなどの乳製品のタンパク質には、匂いを吸着する効果があるので、生臭みを消すという意味でも効果が期待できます。
下処理のやり方は、魚に牛乳やヨーグルトをかけて5~10分程度放置しておきます。
その後、冷たい水で洗い流します。お湯を使うと臭いが広がりやすいので、冷水で洗い流すようにしてください。
ちなみに豆乳ではタンパク質の質が違うので、臭み取りの効果は得られませんのでご注意ください。
・ お酢を使う
魚を鍋に入れる前に、さっとお酢に一度つけおくだけでも臭い消し効果が得られます。
お酢は酸性なので、アルカリ性のトリメチルアミンを中和して、嫌な臭みを消してくれます。
お酢を加えて魚を下ゆでする、または、食べるときにポン酢を使うといった方法も効果的です。
・ 梅干しを使う
お酢と同じく、梅干しに含まれるクエン酸で臭み消しをすることもできます。
梅干しを入れたお湯で下ゆでをすることや、鍋料理を作る際に直接鍋に入れるといったことも、魚の臭み消しになります。
梅干しやお酢の味や香りが苦手な人は、香りや臭いが移ってしまうのを防ぐために、梅干しの果肉ではなく種を入れるのがおすすめです!果肉を落とし種だけの状態ですと、酸っぱさや味、香りはそれほど感じないのに臭みだけ落とすことができます。
さらに、梅干しやお酢は、魚の身を引き締める効果があるため、具材の煮崩れ防止になるので、煮込み料理や鍋料理には最適です。
知っておきたい!カニ鍋を一番美味しく食べるには?
・柑橘類を使う
レモン、ゆず、すだち、かぼすなどの柑橘類も酸性ですので、アルカリ性のトリメチルアミンを中和して、臭いを消すことができます。
下処理に使う以外にも、食べる際にゆずポン酢を使う、レモンやすだちをしぼって食べる、なども鍋料理の魚や具材を美味しく食べるのに効果的です。